その瞳に映るのは

男の友情 side 成瀬






「どこを寄り道したらこんな時間になるんだよっ。」


「一体どこまで牛乳を買いに行ってたの?」



しつこい電話の電源を切って紗夏の家から真っ直ぐ帰宅すると家の前に見慣れたチャリが停まっていた。



だから予想はしてたが、俺より先に人んちで飯食う友人は如何なものか。



「誠君、ずっと待っててくれたのよ?電話にも出ないなんて。」


手渡した袋から牛乳を取り出す母親。



「自転車や歩きスマホは違反だから。」



そう言い残して自室に向かった。


< 145 / 370 >

この作品をシェア

pagetop