その瞳に映るのは


「じゃあ、あれか?王子が席を替えたのは渡辺をからかっただけか?」


「らしいな。」


本当にこいつはよく人を見てるな。



「じゃあお前、王子とこんな時間までいたのか?」


「いや、母さんからメール来たときはもう王子と別れてたな。」



「………じゃあなんでお前、微妙に不機嫌なんだ?」



不機嫌?

そんなの決まってる。

一度ならず二度までも。



「誰かさんがタイミング良く邪魔したからだよ。」


「……それって……。」


察しがいいな。

それ以上はここじゃ迂闊に言えないか。

さっさと飯を食い終わった俺は冷蔵庫から水のペットボトルを取り出した。



「上行くぞ。」



さて。何処まで話したらいいのやら……。


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