その瞳に映るのは


「有紀に聞いてない?」

「有紀?有紀ちゃん?」



懐かしい名前に思わず反応した。



「そう、その有紀ちゃんに聞いてない?」

「……有紀ちゃん…の彼氏が私と同じ高校…。」

「そう、正解。それが俺。ってことでよろしくね三島さん。」



突然の事で開いた口が塞がらなかった。



「ってことで、三島さんは俺の彼女の親友だから関係あるんだよねー。
ちなみに三島さん、うちらの学年の四天王って聞いたことある?」

「え?うん。」

「名前わかる?」

「えっ?名前……渡辺くん、成瀬くんと王子くん……あとバレー部の人?」

「バレー部の高田くんね。」


高田くんは自分を指差しながらそう言った。



「……え?有紀ちゃんの彼氏さんが?」


再び開いた口が塞がらない状態。



「三島さんは俺の事も知らないような子だから渡辺の好きな子なんて不確かな存在を知るわけないでしょ。
気になるなら渡辺に直接聞けよ。」


高田くんはそう言い残して私の背を押しながら教室を出た。

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