その瞳に映るのは


「………。」



何この状況。



隣りの校舎の廊下で、高田くんに肩を抱かたまま王子くんが私の頬に手を添えて心配してる、という状況。



私を覗き込む王子くんと目が合うと、王子くんが見たことが無い優しい表情で微笑んだ。



王子くんの顔を間近で見たからか急に恥ずかしくなって顔が一気に赤くなるのがわかった。


「あ、やっと意識してくれた。ってか、本当に三島って肌綺麗だな。」


王子くんが私を覗き込みながら頬をぷにぷにと触る。


「すげぇよな。さすがに耐性強すぎだろ。俺が肩抱いてるのに物怖じしなさすぎて俺の方が凹むわ。」


「お前は三島の親友の彼氏だからな。安牌扱いなんじゃね?ってか、三島が動かないんだけど?」


「お前がしつこく触るからじゃねぇの?
あ、なんなら俺が三島を抱っこして教室戻るか?」


「別にいいけど、お前、渡辺と成瀬にも殴られるぞ?」


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