その瞳に映るのは
部屋に行って制服を脱いでいつものラフな格好に着替えた。
一瞬、別の服にしようかと迷ったけど成瀬くんに会うから着飾るなんて無意味だと思い直した。
成瀬くんは気を使ってケーキが食べたいと言ってくれた。
嬉しいけどその気遣いで散財させたくはない。
うちの店に成瀬くんが出入りするのも不自然だ。
昨日みたいに何処で誰に見られるかわからないから…。
うちの店に来るのは今日限りにしてもらおう。
朝の挨拶もやめてもらおう。
何も話さなくても、たまに視線が合ったときは笑顔で返そう。
それだけで十分だ。