その瞳に映るのは


「紗夏!俺は別にそんなつもりない!
挨拶だって俺がそうしたいからだっ!
誰かに見られたって構わねぇよ。
俺はやめるつもりない!」


少し強い口調の成瀬くんの声。




そりゃ怒るよね。


きっと成瀬くんは好意でそうしてくれたのにそれを私が拒否してるんだから。



でも、その好意が私にはもう耐えられそうもないから。



「ダメだよ。成瀬くんの彼女が見たら悲しむよ。うちなんか来なくていいから彼女との時間を大切にしてあげなよ。」


昨日の可愛い女の子が成瀬くんの彼女なのかはわからない。
けど、楽しそうにしてたならきっと……。



「………何それ。誰に何を言われたの?」



聞こえた声がいつもの成瀬くんの声じゃなかった。



低くて怒気を含んだ声。




完全に怒らせた。



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