その瞳に映るのは


「あ、忘れてた。三島さんこれあげる。」


渡辺くんが渡してくれたのは苺みるく牛乳のパック。


「…え?」

結局私は渡辺くんにノートなんて一度も見せたことない。

なのになんで?



「さっき見かけた時にコレ好きなの思い出したから。」

「……ありがとう。お金…今細かいの無いからあ」
「お金はいらないよ。それより約束して欲し事があるんだけど。」

「何を?」

「2年で俺と三島さんが同じクラスになれたら、修学旅行の班一緒になってくれる?」


修学旅行の班?
渡辺くんと?
それは全然平気だけど。


「ダメに決まってんでしょっ!あんたと同じ班になったら他の女子に紗夏がなんて言われるか考えなさいよ!」


美優ちゃんが私より先に返事をした。


おかげで自分がかなり浮かれていた事に気付いた。


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