その瞳に映るのは


「あり得ないよ。だって…。」


呟きながら指の隙間から成瀬くんを見る。

王子くんの班の方で王子くんと話してる成瀬くん。


「あの日、成瀬くんは可愛い女の子と歩いてたって。だから、今井さんかと…。」


「あいつが今井に会ったら話すわけないよ。ずっと無視してる相手だからね。」


宮野くんは話しながらバッグからタオルを取り出して机に置いてくれた。



だから私はそのタオルで顔を隠してそのまま宮野くんの机に伏せた。



「俺は今井よりも三島の方が断然可愛いと思うけどなぁ?」


そんな声が聞こえて頭をを軽くポンポンと励ますように叩いてくれた。



「ありがとう宮野くん。嘘でも嬉しい。」



机に伏せて顔を隠したままだけどお礼を言った。

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