その瞳に映るのは
紗夏は単純に家にある材料ですぐ作れるのがチョコケーキだと言った。
それを聞いた瞬間に中1のバレンタインを思い出したんだ。
紗夏にとってはただの義理のチョコ。
他の女子からは手作りのチョコを貰えたのに何とも思わず食べていた。
けど最後に残した紗夏から貰った市販のチョコを少し残念に思いながら食べた記憶。
今思えば自分のガキさ加減に嫌気がさすが、そのガキが紗夏に声をかけなければ多分市販のチョコすらも貰えなかっただろう。
ガキなりに無意識に好きな子からチョコを貰えた事だけは褒めたい。