その瞳に映るのは


母さんを無視してキッチンに立ち、ケーキを一つ取り出して皿にのせてレンジに入れる。

紗夏が言った通りに10秒にセットする。

なんかレンジによっては更に10秒とか細かい事を言ってたけど火を通し過ぎるとただのケーキになると言われたから10秒だけにした。

温まってなくてもいいやと、取り出してダイニングテーブルに皿のケーキと箱のケーキを置く。

残り一つも絶対に死守する。

キッチンカウンターにあったペンで白い箱に『雅人の』と書いた。



そして温めたケーキにフォークを差し込むと店で食べた時と同じようにホワイトチョコが溶けていた。

さすが紗夏。

意気揚々と口に運んでチョコの甘さを堪能する。


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