その瞳に映るのは
「随分と美味しそうに食べるわね。
そんなにそのケーキが好きなの?」
……母さんの存在を忘れてた。
でも無視してチョコを堪能する。
「あれ?珍しいね。中はホワイトチョコなの?明日それ買ってきてよ。お金渡すから。」
買えるわけねぇだろ。
買えるなら毎日買うわ。
あ。
紗夏のチーズケーキなら買えるな。
今はチーズケーキだって言ってたもんな。
でも。
店に来るなって言われたの忘れてた…。
ってか。
「これの何が珍しいの?」
気になる事だけ聞いた。
「珍しいっていうか、ホワイトチョコ使ってるのは見た事なかったから。普通は中も外も同じチョコだからね。はい。」
はい、と言って渡された金は野口が2枚。
「お父さんと私の分2つ買って来てね。買えたら雅人の分も買っていいから。」