その瞳に映るのは



「………。」



マジか。



買えたら俺の分も…って、1個700円相当と見てるのか!?

既に今日は2つ目。箱にはあと1つ。



ケーキって結構値が張るものなのか…?



などと母さんの見積もりの額に驚嘆しながら買えないケーキの代金を受け取る。

俺は買って来る、なんて一言も言ってないから。



それよりも、ホワイトチョコは珍しいのかと紗夏の手作りケーキのセンスに気を良くした。


ホワイトチョコの意味は知らないと言っていたけど…。

何も気にしてなかったけど意味を聞いた時に紗夏が視線を逸らした…ような…。




………。




気になった俺はスマホで検索した。




…ホワイトデーにはホワイトチョコ?

そんなの男がいちいち気にしてるわけないだろ。菓子メーカーの策略か?どうせ義理なんだから何だっていいだろ。ってか、こういう風に意味を後付けするようなのってうぜぇよな。女はこういうのが好きなのか?


…紗夏はこういう意味を気にするのか?



そう考えつつ、気にして検索する俺も大概だなと自嘲した時に見つけた言葉に釘付けになった。




" あなたのことが好き "




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