その瞳に映るのは

高校2年




 * * * * *



高2になって初登校の日。



新2、3年生となる在校生がまだ疎らにしか来てない早い時間。



祈るような思いで校庭に貼り出されたクラス名簿を見つめた。



あまり人がいないからゆっくり見られる。

そう思ってわざと早目に登校した。



私と同じクラスに美優ちゃんの名前を見つけるや否や慌てて教室に向かって走りだした。

美優ちゃんの名前を見つけたと同時に、視界の端で登校してきた成瀬くんの姿を見つけたからだ。



結局、ゆっくりなんて見られなかった。




成瀬くんが何組になったのかを確認出来なかった。




今年こそ成瀬くんと違うクラスになれますように。


まだ誰もいない新しい教室の窓から柔らかい陽が射し込む快晴の日に、遠くに薄っすらと富士山の影を見つけてただひたすら願った。


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