その瞳に映るのは
「…成瀬が?それは流石に無理だろ?相手が渡辺と王子だぜ?」
「こんな無愛想な奴より渡辺のが絶対有利だろ。」
こいつらっ!
人が黙ってりゃ好き勝手言いやがってっ!
思わず殴りたくなる衝動を必死に押さえていたら、また井上が口を開いた。
「あれ?一昨日の夜にお前が女の子と仲良く歩いてたってのはその子だろ?」
まるで知ってるかのように断言した井上。
いや、こいつがそんな噂話を好んで聞く訳がない。
俺がここで話してるから聞いてた、程度にしか興味がないはずだ。
いつも話を聞いてるだけであまり発言しない奴なのに、今日はまるで俺の為に発言してるような……。