その瞳に映るのは
「え?それって成瀬が勝つと思ってるんですか?」
何とも俺に失礼すぎる声が何処からか聞こえた。
「当たり前だろ。なっ♪成瀬くん♪」
キャプテンはにこやかに俺の肩に手を掛けてこそっと呟いた。
『彼女の名前呼んでるのはお前だけだもんな。』
思わず目を見開いた。
そんな俺を他所にキャプテンは皆に聞こえるように話しだした。
「いや〜、あの時のお前は俺なんか眼中になかったもんなぁ〜?俺あん時に廊下にいたからバッチリ見てたんだよな〜。」
ニヤリと笑ったキャプテンを見て俺は同じようにニヤリと笑い返した。
「配当金減らしたくないならそれ口外しないでくださいね。」
どうやら、井上とキャプテン達だけは俺の味方なようだと、今後の身の振り方すら考えてしまう俺がいた。