その瞳に映るのは
「私、紗ちゃ…三島先輩と成瀬先輩の二人が好きだから…お似合いだと思うから…。」
……。
「成瀬先輩は三島先輩と付き合ってるんですか?」
…紗夏と俺。
この子の意図はわからないけど、この子が紗夏の知り合いならはっきり言ったほうがいいかと思った。
だから俺はスマホから顔を上げて女の子に宣言した。
「まだ付き合ってないよ。でも俺は紗夏が好きだから他の子と付き合うつもりは無いよ。」
そう伝えると目の前の女の子は満足げな表情で柔らかく微笑んだ。
「あ、ありがとうございますっ!
私、先輩達を応援してますから!」
それだけ言うと女の子は慌てて自分の自転車を出してぺこりと一度だけ頭を下げて帰って行った。