その瞳に映るのは



王子や誠に相思相愛だなんて言われて浮かれぎみだった俺は本当にバカだと思った。



逃げる。



その言葉を聞いて思い出したのは俺を避けていた頃の紗夏の姿。

それと、渡辺が修学旅行の班に紗夏を誘った時、自分は松田のおまけと言った姿。




俺でも渡辺でも紗夏は逃げる。



それを見ていたからこそ、木下の言葉が重く俺の心を突刺した。


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