その瞳に映るのは



誠に見限られた俺はその場から動けないでいた。



俺が立っていた場所は、さっき高田から連絡を貰って引き返した場所のすぐ近くだった。



奢ると言って誠を駅まで往復させた俺。



そういや、誠に彼女が出来たなんて気付かなかったな。



最近付き合い始めたなら今が一番楽しい頃じゃねぇか。

俺と帰るより彼女と一緒に帰れよ。



……なんてな。

そうさせたのは俺だ。

今日だって誠は紗夏と話したせいで渡辺に掴みかかられた。

損な役回りばかりさせてるのは俺だ。

俺が誠と彼女の時間を削らせてるんだな。




なのに俺がまた凹んだから…。

そりゃ見限られるわけだ。


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