その瞳に映るのは


「……ごめん。店に来るなって言われたのに…。」


口が勝手に動いて謝罪していた。



「……だから外で待っててくれたの?」


そういうつもりで待ってた訳ではなかったから素直に言った。


「待ってたのは10分くらいだよ。それまで誠と話し込んでた。」



流石に木下の事は言えなくて伏せるが話し込んでいたのは事実だ。



「宮野くんと?……もしかして私のせい?」


少し曇った表情になった紗夏に慌てて否定した。



「違う!俺が誠を怒らせたんだよ。誠は俺のせいで……。」


その先は紗夏も関係してくる話しかなくて結局何も言えなかった。


「…宮野くんはきっと成瀬くんの為に怒ったんじゃないかな?」


黙り込んだ俺に紗夏は心配そうに声をかけてくれた。


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