その瞳に映るのは
「そ、そうなんだ?ごめんね。成瀬くんなら彼女いてもおかしくないと思ったから、つい…。」
俺の言葉に反応した紗夏は少し俯きがちになって話した。
紗夏が反応してくれたから俺は更に言った。
「俺、周りに女嫌いって言われてんだぜ?
紗夏と一緒に帰ったとこ見られただけであの騒ぎなのに、彼女がいたらとっくに周りが気付くだろ。」
紗夏に声をかけながら自転車から降りて紗夏の家の方へと歩き出した。
5、6歩だけ歩いてすぐに後ろを振り返った。
紗夏は俺の方を見ていたが立ち止まったまま何か考えてるように見えた。
俺の方を見ているようで俺を見ていない。
そう思ったからもう一度声をかけた。
「紗夏、行こう。」
声をかけた途端、視線が合った。
俺を見てくれた!
でもすぐに視線を逸らされて俯向いたから拒絶されたと思った。