その瞳に映るのは
わざと、3回コールしたら切る。
そしてすぐかけ直す。
3回コールしたら切る。
そしてまたすぐかけ直した。
『なんだよっ!うぜぇーんだよお前っ!』
よし!出たっ!
瞬時に、電話を切られる前に声をかけた。
「紗夏がお前と話したいらしいから替わるぞ。」
それだけ言ってスマホを紗夏に渡した。
少しびっくりしたような紗夏だったけど、素直にスマホを受け取って話しだした。
「もしもし…宮野くん?」
『え?マジで?三島っ?』
「うん。急にごめんね。」
『いや、…今雅人と一緒にいるの?』
「うん。成瀬くんが家に送ってくれて…。」
まだ家に着いてないけどな。
なんてそんな細かい事はどうでもいい。
ちらりと俺を気にしながら話す姿。
その姿を微笑んで見つめた。