その瞳に映るのは


わざと、3回コールしたら切る。
そしてすぐかけ直す。
3回コールしたら切る。
そしてまたすぐかけ直した。



『なんだよっ!うぜぇーんだよお前っ!』



よし!出たっ!

瞬時に、電話を切られる前に声をかけた。



「紗夏がお前と話したいらしいから替わるぞ。」



それだけ言ってスマホを紗夏に渡した。

少しびっくりしたような紗夏だったけど、素直にスマホを受け取って話しだした。



「もしもし…宮野くん?」


『え?マジで?三島っ?』


「うん。急にごめんね。」


『いや、…今雅人と一緒にいるの?』


「うん。成瀬くんが家に送ってくれて…。」



まだ家に着いてないけどな。

なんてそんな細かい事はどうでもいい。


ちらりと俺を気にしながら話す姿。


その姿を微笑んで見つめた。


< 279 / 370 >

この作品をシェア

pagetop