その瞳に映るのは


「それがさ…………。
あ、美優お前、三島と雅人を怪しんでたよな?それって三島に聞いたのか?」


『…え?』


「一昨日の事だよ。俺が言いかけたら、お前
" 成瀬? "って気付いてただろ?」


『え…っと、何となく。紗夏からは何も聞いてない。』



………三島は今まで女同士でそういう話をしたことが無いからか?

偶然知った俺にだけ相談したのか?




今日、木下に会った時、帰り際に聞いた。

なんで高田に探らせてるのか。



後悔してるにしても、木下なら直接三島に聞けば話が早いのに何故高田を使うのか。


答えは明確だった。

「紗夏は何度聞いても好きな人はいないと言い張ったの。成瀬の名前を出しても頑なに否定されてたから、相談すら出来なかったの。」

だから、いまだに陰ながら見守ってた。


そう木下は言っていた。


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