その瞳に映るのは
「紗夏?」
私を呼ぶ成瀬くんの声が聞こえた。
いつの間にか教室に戻ってきた成瀬くん達がいた。
「また何かあったのか?」
宮野くんが後ろの席に座りながら聞いてきた。
美優ちゃんも自分の席に座ってた。
渡辺くんは成瀬くんの席に座ってる。
「成瀬の席無いじゃん。紗夏、半分イス貸してあげたら?」
猪瀬さんの声を聞いて俯向いたまま少し動いてイスを半分空けた。
それを見た成瀬くんが躊躇なく座った。
身体の側面が成瀬くんの身体に触れた。
持っていたパンを私の机に置いた時に左腕を伸ばした成瀬くん。
その腕を見て、私の右手が勝手に動く。
成瀬くんの左腕の肘辺りのシャツを掴んだ。