その瞳に映るのは


「わ、渡辺くんっ。王子くんはわた」
「三島さん、大丈夫だから。もう掴みかかったりしないから安心して。」


渡辺くんに優しく言葉を遮られたから大人しく口を閉じた。

王子くんも私の頭から手を離した。


「お前が三島を好きなのはどうでもいいけど、なんで成瀬が出てくるんだ?」


「三島さんが好きだから近くにいる成瀬が気になるんだよ。
今朝の成瀬と三島さんを見たら、三島さんを好きな奴なら皆焦るだろ。」


「へー…。お前でも焦る事あるんだな?
でも、お前だって今朝、体育館で三島と親密だったって聞いたぜ?
好きな三島と噂されて良かったな?」



王子くんの言葉を聞いて一瞬心が沈みかけた。



今朝、体育館で二人きりでいたのがもう噂になってるの?


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