その瞳に映るのは
三島と話さなくなってすぐ2年生になった。
新しいクラスにはまた三島がいた。
相変わらず三島と話さないまましばらく経ってから他の奴らはそんな噂を知らなかった事に気付いた。
「そういやお前、三島と話したことあったよな?」
「………」
「結構声をかけてなかったか?もしかしてケンカでもしてか?」
「三島はケンカするような奴じゃないだろ。」
「じゃあお前が三島に飽きたのか?」
「お前、何が言いたいんだ?」
「何が、ってそのまんまだろ?」
笑いながらそう言ったクラスの奴らはそんな話があったことすら知らなかった。
「お前の噂話?どんな?」
「……俺が誰かと付き合ってる、とか?」
「お前が?あり得ねぇだろ。女子のことを女として見てないくそガキのくせに?」
「今の成瀬が噂になったら二股どころじゃねぇだろ。それとも今井と噂されたいのか?」
完全に馬鹿にされてたけど、三島の話は全く聞かなかった。
俺が一時だけ三島に声をかけて相手にされなくて飽きた、くらいにしか思ってなかった。