その瞳に映るのは
単に三島を探ってるだけなのか、渡辺はよく三島に話かけていた。
渡辺が言ってた松田って女は三島とかなり親しくなっていた。
俺の持論で言えば松田は信用できそうだ。
でもだからと言って親しくなろうとは思わない。
それから誠に渡辺と話しをしない俺を指摘されてからは渡辺が頻繁に声をかけて来るようになった。
俺も渡辺の意図が気になりだしたからちょうど良かったけど…。
「成瀬、修学旅行の話聞いたか?」
「修学旅行?」
「班は男女混合。好きな奴と組めるみたいだぜ。」
「へー。」
そんなの興味ねぇよ。
「だからお前と俺、同じ班になろうぜ。」
「……別にいいけど。同じクラスになったらな。」
ずいぶんと気が早い奴だ。
「女子は希望あるか?」
「…俺がそんな希望あると思うのか?」
女嫌いと言われてる俺になんでそんな事を聞くんだ?
「そうか。でも俺は三島が同じクラスにいたら誘うからな。」
……。
「………好きにしろよ。」
やっぱり渡辺は三島を………。