その瞳に映るのは
同級生 side 成瀬
* * * * *
そして。
不注意にも俺が三島に2回目の着信履歴を刻んだ数日後。
部活終わりの帰宅時、自転車置き場で誠と会った。
「…お前さ、もういい加減にしたらどうだ?」
チャリで帰宅中、誠に突然言われた。
「何がだよ。」
「三島の事だよ。」
予想もしてなかった話題を振られて思わず乗っていた自転車から足を降ろして止まってしまった。
「……え?」
「お前と三島、なんかあったんだろ?」
言葉に詰まった。
そして思い出した。
すっかり忘れていた。
誠は俺が中1の時に三島に声をかけていたのを知ってるという事を。
誠とは1年の時しか同じクラスになってない。
だから俺と三島がその後、どう過ごしてたかなんて知らないんだ。
違うクラスになった誠とはいつも廊下で話してたから同じクラスだと勘違いした時もあったくらいだ。
だから俺が三島と話さなくなった経緯は知っていても、それがいまだに続いてたなんて知るわけがない。
「……。」