その瞳に映るのは



「別に詮索する気はねぇよ。お前らがそれでいいなら口を挟むつもりなかったけどよ、流石に修旅で同じ班ってのはマズいだろ?」


「……。」


「お前はもう女に話しかけられても無視する奴だって認識されてるから三島を無視しても違和感ねぇけどよ、
あの温和な三島が同じ班のお前だけを完全に無視するってのは無理があるんだよ。」


「……。」


確かにそうだ。

三島の性格なら、挨拶だけでもちゃんとするタイプだ。


「今のままだと渡辺に気づかれるのも時間の問題だぞ。別に話すようになれとは言わないけど挨拶くらい出来ねぇのかよ。」



誠の言葉は正論だ。
返す言葉が何もない。



俺と三島の態度を知ってて今まで何も言わなかったなんて、逆に本当に友達なのか?と馬鹿げた事を言いそうになるが、
静観して、ヤバそうになるとヤバくなる前に口を挟む。

誠はそういう奴だ。



ということは、かなりヤバいのか…。


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