その瞳に映るのは
「ねぇ、成瀬は何番なの?」
「……。」
さっき私に声をかけてきた田代さんが今度は成瀬くんに声をかけていた。
「えっと…29だってよ。でも隣は俺だから交換しないから。」
成瀬くんの友達の宮野くんが代わりに田代さんに答えた。
「渡辺がダメなら次は成瀬とか、清々しい程わかりやすいわね」
さっきより声のトーンとボリュームを落して話す美優ちゃんはうんざりした顔で呟いた。
流石に頷くことは出来ないけど、内心では私も彼女の行動力に驚いた。