その瞳に映るのは
晴れた日
結局、自分の立ち位置を自覚しただけ。
私の気持ちは成瀬くんの邪魔にしかならないから。
どうしよう…。
既に高校の駐輪場に着いてた私は、大きなため息を一つ吐いて自転車を停めた。
「……三島?」
その時、名前を呼ばれて反射的に振り向いた。
「…おはよう。」
振り向いた私の視線の先には、自転車に跨がったままの成瀬くんの姿。
こんなとこで私と会うなんて想像してなかったのか、驚いた顔をしてたけど
すぐに苦笑いしながら挨拶してくれた。
「…ぉ、おはよう。」
まるでオウム返しのように勝手に出た言葉。
その声がおかしかったのか、一瞬驚いた顔が見えた。
そしてお互いの視線が合うと優しく微笑んでくれた。
懐かしい笑顔につられていつの間にか私の顔が緩んでいた。