その瞳に映るのは


「……おいおい雅人、無理やりはダメだろ。」



う、嘘っ?
成瀬くんの知り合いが来たの?



ガシャガシャと自転車を停める音がして誰かが近付いてくる気配。



「お前はいつもやる事が極端なんだよ。大丈夫か三島。」



その声は…。



「…み、宮野くん?」

「そう。おはよう三島。こいつに何かされたのか?」

バッグを少し下げ、赤い顔は隠したまま目だけ出して宮野くんを確認した。

成瀬くんより背が高い宮野くんは、すぐ横に立っていたから私の身長だと見上げないと顔が見えない。



「お、おはよう宮野くん。……手が…。」

私を見下ろす宮野くんが見えると少しだけホッとして挨拶を返した。



「手?……雅人、手を離してやれよ。三島は男に免疫無いんだから。」


「……ごめん三島。」

少し迷ったような顔をした成瀬くん。

結局、手を離してくれたけど成瀬くんに謝られて胸が苦しくなった。


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