その瞳に映るのは


「三島も嫌だったらハッキリ言ってやら」
「ち、違っ!嫌じゃない!けど……あの…。」


宮野くんの声に反応して食い気味に否定したのに、自分の言った言葉を認識してまた顔が熱くなってしまった。



「……ごめんなー。こいつも女の子の扱いに慣れてないからさー。とにかく教室行こうぜ。」

言葉は謝ってるのに、にこにこと笑顔の宮野くんが私の肩を抱いて歩き出した。

つい2、3歩足が動いたがすぐ立ち止まって宮野くんを仰ぎ見た。

「宮野くん?」

宮野くんの雰囲気に違和感を感じたから立ち止まったけど…。


「……いや、分かっていたけどさ、俺も男なんだから少しは反応してくれないとショックなんだけど。」

「………反応?」

「……いや、何でもない。雅人。」



私から離れた宮野くんがコソコソと成瀬くんに耳打ちをした。

その時耳打ちされてた成瀬くんが私を見て目が合ったから反射的に俯向いた。



やっぱり無理。

成瀬くんの目を見られないのに会話なんて出来ないっ。


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