その瞳に映るのは


「……ごめん宮野くん……。」


思わず呟いた。



「え。謝られるとマジで男扱いされてないみたいでショックなんだけど。」


いつもの調子でそう答えてくれた。



だから何となくだけどきっと……。

今まで気づいてても気づいてないフリをしてた宮野くんだから……。


多分………。


私が顔を赤くした理由を分かって…る。

だから、わざわざ成瀬くんをイケメンとか言って私の気を逸してくれ…た?



今まで好きな人はいないと言って誰とも恋バナした事がないから、流石に宮野くんと恋バナするつもり無いけど……。



これが私の勘違いだとしても。


私が成瀬くんを好きだと、宮野くんが気づいていないとしても。


宮野くんのそのいつもの調子が私には心強く感じた。

< 83 / 370 >

この作品をシェア

pagetop