その瞳に映るのは


結局、そのまま私の隣りは渡辺くんになった。



でもどうせ私には関係ない人だ。

私から話しかけるつもりもないし、渡辺くんは美優ちゃんと話すだろうと思っていた。



けど…。


「おはよう三島さん。」

「…お、おはよう。」


翌日から毎日欠かさず挨拶された。

美優ちゃんにはほとんど挨拶してないのに……。



席替えから4日目でなんとなく気付いた。



美優ちゃんが登校してくるまで" ぼっち "の私はいつも自分の席で本を読んでいた。

だから渡辺くんは" ぼっち "を放っておけなかったんだろうな。

私だけでなく、比較的一人でいる男子にもたまに声をかけるような人だから。

やっぱり男女から人気ある人ってすごいな。


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