その瞳に映るのは
三島が可愛いと気付いたのは中1の頃。
雅人とツルんでいたから気付けただけ。
その頃の雅人は男女関係なく誰とでも話すただの小学生レベルの悪ガキだった。
クラスの女子にお菓子をねだるただのガキ。
そのガキが隣りの席になった三島に声をかけるようになった。
席替えで三島と離れても、三島にあまり相手にされなくても話しかけ続けた悪ガキ。
でもその甲斐があって三島と普通に話すようになった。
その時に俺は三島の笑顔がかなり可愛いと気付いた。
このクソガキがしつこく声をかけて三島の笑顔を引き出したから気付いただけで普段の三島はあまり笑うことがなかった。
でも雅人はホワイトデーにお返しを配りまくった直後からパッタリと女と話さなくなった。
三島も例外じゃなかった。
だから俺はその頃の雅人がなんで女と話さなくなったのかなんて気にしてなかった。
単に女が面倒くさくなったんだろ、としか思わなかった。