最近、キレイになった?【奈菜と南雲シリーズ②】
「おい。ちゃんと野菜も食えよ」
追加の生ビールを注文した南雲は、そう言って私の皿に“おかわかめのお浸し”を取り分ける。
「ちょっと、……勝手に乗せないでってば」
「ちゃんと食えよ。わかめは体にいいんだぞ」
そんなこと知ってるって。
っていうか、おかわかめは名前に“わかめ”と付くけど海藻じゃない。ツルムラサキの仲間だと前に大将が言っていた。
「チンチクリンって言われたくなかったら、甘いもんばっかじゃなくて、バランス良くちゃんと飯を食えよ」
遠慮のない同期の台詞に、流石にちょっとやさぐれる。
「そんな失礼なこと、南雲以外に言う人いないから」
「どうだろうな」
こちらを見て不敵な笑みを浮かべた彼に、私もだんだんとムキになってくる。
「そんなことない。……今日だって万由子に言われたんだから」
もう一人の同期との、昼間の会話を思い出す。
『モテ期到来じゃない?』
そう言った彼女は、疑わしげな私の顔を見て笑った後、こう続けた。
『営業の片山さんと遠藤くんが話してたわよ?経理の木村さん、最近キレイになったな、って』
『ええっ!』と思わず大きな声を上げて驚いた私に、彼女は『ほら、やっぱりモテ期到来でしょ』と言った。
追加の生ビールを注文した南雲は、そう言って私の皿に“おかわかめのお浸し”を取り分ける。
「ちょっと、……勝手に乗せないでってば」
「ちゃんと食えよ。わかめは体にいいんだぞ」
そんなこと知ってるって。
っていうか、おかわかめは名前に“わかめ”と付くけど海藻じゃない。ツルムラサキの仲間だと前に大将が言っていた。
「チンチクリンって言われたくなかったら、甘いもんばっかじゃなくて、バランス良くちゃんと飯を食えよ」
遠慮のない同期の台詞に、流石にちょっとやさぐれる。
「そんな失礼なこと、南雲以外に言う人いないから」
「どうだろうな」
こちらを見て不敵な笑みを浮かべた彼に、私もだんだんとムキになってくる。
「そんなことない。……今日だって万由子に言われたんだから」
もう一人の同期との、昼間の会話を思い出す。
『モテ期到来じゃない?』
そう言った彼女は、疑わしげな私の顔を見て笑った後、こう続けた。
『営業の片山さんと遠藤くんが話してたわよ?経理の木村さん、最近キレイになったな、って』
『ええっ!』と思わず大きな声を上げて驚いた私に、彼女は『ほら、やっぱりモテ期到来でしょ』と言った。