あたしを撫でる、君の手が好き。




「やっぱり、岸と何かあったでしょ?」

学校の最寄駅にあるハンバーガーショップで、ぼんやりとストローでコーラを啜っていると、向かいあって座る桃佳にドリンクのカップを奪われた。


「それ、もうないんでしょ?ズルズルうるさいよ」

桃佳があたしが飲んでいたコーラのカップを軽く振る。そこから聞こえてくるのは、カサカサと氷が揺れる音だけだった。

もうなかったのか。どおりで、あんまり味がしないなーと思ったんだ。

注文したセットのコーラは既に空っぽなのに、あたしの目の前のトレーには、未開封のハンバーガーとドッサリ残ったフライドポテト。

何も食べずにジュースだけを無意識に飲み干すなんて。どれだけぼんやりしてたんだろう……

自分のことながら呆れていると、既にほとんど食べ終わっている桃佳が、あたしのハンバーガーの紙を剥いて渡してくれた。


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