あたしを撫でる、君の手が好き。

「そろそろ部活いくよね?今日のお茶菓子、何かなー」

今日は週3回の茶道部の活動日だ。あたしがカバンを持って立ち上がると、桃佳が手に持っていた学級日誌を見せてきた。


「ごめん、るみ。あたし、日直だから、職員室に寄ってから行かなきゃいけないんだ。部室とは方向が違うから、先に行っといてもらっていい?」

「そっか。じゃぁ、あとでね」

桃佳が学級日誌をパタパタと振って、早足で教室を出て行く。

少し遅れてあたしも教室を出ようとすると、ドアの前であっくんと一緒になった。

どちらが先に出るかお互いに無言で譲り合っていると、あたしを先に行かせようとするあっくんが、横から肩を押してきた。

軽くあたっただけなのに、肩に触れたあっくんの手を妙に意識してしまう。


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