あたしを撫でる、君の手が好き。
「べ、別に変な意味で誘ったんじゃないから」
「変な意味って?」
「だ、だから……普通に遊びに来たらどうかな、って思っただけだよ」
「ふーん」
ニヤニヤ笑いながらあたしのことを見てくるあっくんは、あたしが部屋に誘った意味を絶対に誤解している。
「この前昔のアルバム出して見てたら、あっくんと写ってるのがいっぱいあったの。それを一緒に見たいなーって、ずっと思ってて。それに、この前あっくんがひさしぶりにうちに来てくれてお母さんも喜んでたんだよ。『また遊びに来てって伝えてね』って言ってたし……」
懸命に、健全な言い訳をしようとすればするほど、あっくんの口角がゆるゆると上がっていく。