あたしを撫でる、君の手が好き。

「いつ、ブロック解除したの?」

「1週間くらい前かな。ほら、もうそろそろ、1年も終わるし、富谷くん達が春休みにクラスでお別れ会しようって考えてるんでしょ?クラスメート全員と連絡がとれるようにしたいから、ブロック解除してって頼まれたよ。あっくんも、その幹事に入ってるの?」

るみが、無垢な瞳で俺を見上げて訊ねてくるから、返答に困った。

なんだよ、お別れ会って。なんだよ、幹事って。

そんなの、俺が富谷の口から聞かされたことは一度もない。

どうせ、るみのブロックを解除させるために、富谷が適当な理由をつけたんだろう。

あいつ、未だにるみのことを「可愛い」とか言ってるし。やっぱりまだ完全には諦めてなかったのか。


「そのお別れ会の話で富谷から連絡がきたら、すぐに教えて」

「うん?」

俺が強めにそう言うと、るみが不思議そうに首を傾げて、富谷に何かメッセージを返し始めた。


「何してんの?」

「いや、誕生日おめでとうって言われたから、お礼は言っとこうかと思って」

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