あたしを撫でる、君の手が好き。

頬に触れたあっくんの指先にドキリとする。

そっと横目に見上げると、あっくんが小さいときと変わらない、いたずらっ子のような顔で笑っていた。


「これ以上顔丸くなったら、ヤバくない？」

あたしを見下ろす目も、からかいの言葉も意地悪なのに、頬に触れるあっくんの指先の温度や悪戯な笑顔が、あたしをドキドキさせる。

そばにいるだけでこんな気持ちになるのは、きっとあたしだけなんだろうな。

あたしにとってのあっくんは、きらきらしていていつも眩しい。ときどき、うまく直視できなくなっちゃうくらい。


「そしたら、もっとばーちゃんちの犬に似てくるかもな」

意地悪くけらりと笑ったあっくんが、頬をつまむ手を離してあたしの頭をわしゃっと撫でた。


「犬じゃないってば」

いちおう反論してみるけれど、あっくんはお構いなしにあたしの髪に指をいれて、ぐしゃぐしゃと撫でてくる。