あたしを撫でる、君の手が好き。

だけど……

体育祭のあいだずっと、あっくんと徳永さんがべったりとくっついている姿を見せられるのかと思ったら正直キツい。

だったら見なけりゃいいって話なんだけど、あたしがあっくんの姿を目で追ってしまうのはもう息をするくらいに自然なことで。

あっくんのことを一日中見ずにいるなんてことはできないのだ。

むすっとした顔で校庭を眺めていると、よそ見しながらいくつか重ねた三角コーンを運んでいた徳永さんが躓いてよろける。

あっくんが咄嗟に肘をつかんだから徳永さんは転ばなかったけれど、ふたりの足元には落とした三角コーンが散らばっていた。

なんとなく徳永さんがあっくんに謝っているように見えるけど……あっくんに手伝ってもらって落とした備品を拾い上げるふたりの距離が近い。

そんなに肩がくっつくくらい寄り添い合わなくたって、バラバラに散った三角コーンは拾えると思う。


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