ボーダーライン。Neo【上】
夜中にまた目が覚めた。けれどそれは、昨夜と同様の急な目覚めでは無く、単なる生理的欲求を催したためだ。
お手洗いに立ち、また部屋に戻り、布団をかぶる。
固く瞼を閉じるが、寝室の環境が違うせいか、スッと眠りに入れない。
ーー眠れない。
隣りのベッドで寝息を立てる美波を、チラと一瞥し、あたしは部屋を抜け出した。
部屋のデジタル時計は昨夜同様、零時半を告げていた。
缶ビール一缶だけ飲んだら、すぐに眠ろう、寝不足で朝を迎えても明日は帰国する日だから、飛行機の中でたっぷり寝れる……
そう自分に言い聞かせ、そろりと階段を降りた。
顔を上げ、ハッと目を見開いた。びっくりした拍子に、あ、と呟いてしまう。
ペットボトルの水を片手に、秋月くんが振り返った。
ウッドデッキへ続くガラス戸を開け、昨夜あたしがいた場所に、今夜は彼が座っている。
少しだけ、動悸の早まる気配がした。緊張にも似た感覚を飲み込み、あたしは冷蔵庫から缶ビールを取り出した。
「秋月くんも、まだ起きてたんだ?」
「あ。うん」
昨日と逆のパターン。
あたしは数十センチの間隔を開け、彼の隣りへ腰を下ろした。
お手洗いに立ち、また部屋に戻り、布団をかぶる。
固く瞼を閉じるが、寝室の環境が違うせいか、スッと眠りに入れない。
ーー眠れない。
隣りのベッドで寝息を立てる美波を、チラと一瞥し、あたしは部屋を抜け出した。
部屋のデジタル時計は昨夜同様、零時半を告げていた。
缶ビール一缶だけ飲んだら、すぐに眠ろう、寝不足で朝を迎えても明日は帰国する日だから、飛行機の中でたっぷり寝れる……
そう自分に言い聞かせ、そろりと階段を降りた。
顔を上げ、ハッと目を見開いた。びっくりした拍子に、あ、と呟いてしまう。
ペットボトルの水を片手に、秋月くんが振り返った。
ウッドデッキへ続くガラス戸を開け、昨夜あたしがいた場所に、今夜は彼が座っている。
少しだけ、動悸の早まる気配がした。緊張にも似た感覚を飲み込み、あたしは冷蔵庫から缶ビールを取り出した。
「秋月くんも、まだ起きてたんだ?」
「あ。うん」
昨日と逆のパターン。
あたしは数十センチの間隔を開け、彼の隣りへ腰を下ろした。