ボーダーライン。Neo【上】
/現在
◇ ♂
内田や奈々と再び縁が繋がったあの夜から、数日が過ぎた。
事務所で取材の仕事を受けていた僕らは、順次にメイク室、撮影室へと入っていた。
陸、陽介、カイと続き、最終の僕がメイク室から顔を出した時。
廊下で待ち構えていたマネージャーの竹ちゃんが、ちょっと良いか? と言って手招きした。
「なに?」
「オフの件なんだけど」
竹ちゃんは手に持った黒革の手帳に目を落とし、「ええと、檜は」と言って瞬きした。
どうやら一人ずつ順番に声を掛けているようだ。
「希望していた五月二十日は、ちゃんと押さえておいた」
「サンキュ」
「それから次の休み、二十五日なんだけど」
苦い顔をする彼に、ピクリと眉を動かした。
「ライブの後で疲れてると思うけど、急遽仕事が入った」
やっぱり、と困った顔で息を吐く。
「そうなんだ? 何の仕事?」
竹ちゃんからちゃんと説明があるだろうが、先回りして訊いてみる。
それが、と眉をひそめる彼は若干言いにくそうだ。
「今週の二十一日に予定していたものが、二十五日に変更になった」
「え? それって、例の映画の?」
僕は記憶を辿り、真顔で訊ねた。
内田や奈々と再び縁が繋がったあの夜から、数日が過ぎた。
事務所で取材の仕事を受けていた僕らは、順次にメイク室、撮影室へと入っていた。
陸、陽介、カイと続き、最終の僕がメイク室から顔を出した時。
廊下で待ち構えていたマネージャーの竹ちゃんが、ちょっと良いか? と言って手招きした。
「なに?」
「オフの件なんだけど」
竹ちゃんは手に持った黒革の手帳に目を落とし、「ええと、檜は」と言って瞬きした。
どうやら一人ずつ順番に声を掛けているようだ。
「希望していた五月二十日は、ちゃんと押さえておいた」
「サンキュ」
「それから次の休み、二十五日なんだけど」
苦い顔をする彼に、ピクリと眉を動かした。
「ライブの後で疲れてると思うけど、急遽仕事が入った」
やっぱり、と困った顔で息を吐く。
「そうなんだ? 何の仕事?」
竹ちゃんからちゃんと説明があるだろうが、先回りして訊いてみる。
それが、と眉をひそめる彼は若干言いにくそうだ。
「今週の二十一日に予定していたものが、二十五日に変更になった」
「え? それって、例の映画の?」
僕は記憶を辿り、真顔で訊ねた。