ボーダーライン。Neo【上】
「あ、はい。僕はこの後ちょっと、予定が有るので」
申し訳程度に眉を下げ、微笑んだ。
当然ながら僕以外のメンバーは、皆パーティーに出席している。
「……そうですか」
サイドで緩やかにアップした髪、そこから流れる後れ毛を揺らし、笹峰さんはがっかりした様子で呟いた。
もしかして、と彼女は不安そうに目を上げる。
「恋人さん、ですか?」
「え?」
「だって……今日。クリスマスだから」
笹峰さんは可憐な雰囲気をまとい、上目遣いに僕を見た。その表情に、かつての奈々が思い起こされ、ドキッとなる。
「ハハ、まさか」
僕は目を細め、普段通りの作り笑いで答える。
「今日は高校時代の、男友達と会うんです」
「あ。そう、なんですか」
彼女は視線を外し、小さく笑うと息を吐く。
僕は続けて社交辞令を述べた。
「またご一緒させて貰う機会が有れば、その時は宜しくお願いします」
一礼を残すと、笹峰さんは慌て、こちらこそ、と頭を下げた。
「それじゃあ」
笑顔で会釈し、僕は彼女に背を向けた。
申し訳程度に眉を下げ、微笑んだ。
当然ながら僕以外のメンバーは、皆パーティーに出席している。
「……そうですか」
サイドで緩やかにアップした髪、そこから流れる後れ毛を揺らし、笹峰さんはがっかりした様子で呟いた。
もしかして、と彼女は不安そうに目を上げる。
「恋人さん、ですか?」
「え?」
「だって……今日。クリスマスだから」
笹峰さんは可憐な雰囲気をまとい、上目遣いに僕を見た。その表情に、かつての奈々が思い起こされ、ドキッとなる。
「ハハ、まさか」
僕は目を細め、普段通りの作り笑いで答える。
「今日は高校時代の、男友達と会うんです」
「あ。そう、なんですか」
彼女は視線を外し、小さく笑うと息を吐く。
僕は続けて社交辞令を述べた。
「またご一緒させて貰う機会が有れば、その時は宜しくお願いします」
一礼を残すと、笹峰さんは慌て、こちらこそ、と頭を下げた。
「それじゃあ」
笑顔で会釈し、僕は彼女に背を向けた。