ボーダーライン。Neo【上】
あたしは、彼ら二人を見てそう思えるぐらい歳を重ねたのだな、とふと自覚した。
先月二十五の誕生日を迎えたのでそれも当然の事。
そして同時に、自らの高校生時代を思い出していた。
ちょうど、秋月くんのような、クラスのムードメーカー的な存在を好きになり、付き合っていた。
ーーあ……!
ジッと彼らを見過ぎだせいか、不意に秋月くんと目が合った。
彼の遠慮の無い視線に気まずさを覚え、あたしは愛想笑いで会釈する。
すると怪訝な目をする彼も、一応と言わんばかりに、それを返した。
夕食を済ませ、夜のとばりが落ちた頃、あたしは宿舎周辺の見回りに出ていた。
砂浜で花火をする生徒達に、遅くなり過ぎないように、と注意喚起し、一旦宿へと引き返す。
右手に持った懐中電灯をやや前方の地面へ向け、足元に注意を払った。
知らない土地、暗い夜道に、ともすれば恐怖が募る。
やがて暗い夜道を前から歩いて来る人影に気が付いた。
あたしは眉を寄せ、少しの警戒心から幾らか懐中電灯を持ち上げる。眩しい光に眉目をしかめたのは彼だった。
ホッと安堵し「秋月くん」と声を掛けた。再度、懐中電灯を地面に向ける。
先月二十五の誕生日を迎えたのでそれも当然の事。
そして同時に、自らの高校生時代を思い出していた。
ちょうど、秋月くんのような、クラスのムードメーカー的な存在を好きになり、付き合っていた。
ーーあ……!
ジッと彼らを見過ぎだせいか、不意に秋月くんと目が合った。
彼の遠慮の無い視線に気まずさを覚え、あたしは愛想笑いで会釈する。
すると怪訝な目をする彼も、一応と言わんばかりに、それを返した。
夕食を済ませ、夜のとばりが落ちた頃、あたしは宿舎周辺の見回りに出ていた。
砂浜で花火をする生徒達に、遅くなり過ぎないように、と注意喚起し、一旦宿へと引き返す。
右手に持った懐中電灯をやや前方の地面へ向け、足元に注意を払った。
知らない土地、暗い夜道に、ともすれば恐怖が募る。
やがて暗い夜道を前から歩いて来る人影に気が付いた。
あたしは眉を寄せ、少しの警戒心から幾らか懐中電灯を持ち上げる。眩しい光に眉目をしかめたのは彼だった。
ホッと安堵し「秋月くん」と声を掛けた。再度、懐中電灯を地面に向ける。