ボーダーライン。Neo【上】
ーーRRRRR.
ビクッと手が震え、思わず回線を繋いでしまう。
『あ。うそ、繋がっちゃった』
恐る恐る受話口を耳に当てると、誰か知らない女の声がした。
顔をしかめ、息を殺す。
『え、マジ?』
『もしもし~? Hinokiだよね~??』
電話で喋る女とは別に、背後で男の声もする。
途端に気味が悪くなり、携帯を耳から離した。
ディスプレイに一瞬だけ浮かんだのは知らない番号だった。
迷わず画面をタップし、着信を切った。
ベッドに座ったまま肩を落とし、盛大なため息がもれる。やっぱり解約しておくべきだった、と眉間にシワが寄る。
ーーとりあえず明日竹ちゃんに頼んで持ってって貰お。
電源を切ろうとサイドボタンに指が触れた時。再び着メロが鳴った。
え、と顔を歪め、画面に目を走らせるが。
ディスプレイに浮かぶその名を見て、息を飲んだ。
躊躇いは一瞬だった。今度は自分の意思で回線を繋ぐ。
「はい」
電話の相手も驚いているらしい。その空気がこちらにまで伝わった。
『も、もしもし? 檜か? 俺、内田勇介。分かる?』
その声を聞いてホッと安堵した。
「ああ、分かる。久しぶり……?」
壁の時計に目をやると、時刻は深夜二時を過ぎた所だった。
***
ビクッと手が震え、思わず回線を繋いでしまう。
『あ。うそ、繋がっちゃった』
恐る恐る受話口を耳に当てると、誰か知らない女の声がした。
顔をしかめ、息を殺す。
『え、マジ?』
『もしもし~? Hinokiだよね~??』
電話で喋る女とは別に、背後で男の声もする。
途端に気味が悪くなり、携帯を耳から離した。
ディスプレイに一瞬だけ浮かんだのは知らない番号だった。
迷わず画面をタップし、着信を切った。
ベッドに座ったまま肩を落とし、盛大なため息がもれる。やっぱり解約しておくべきだった、と眉間にシワが寄る。
ーーとりあえず明日竹ちゃんに頼んで持ってって貰お。
電源を切ろうとサイドボタンに指が触れた時。再び着メロが鳴った。
え、と顔を歪め、画面に目を走らせるが。
ディスプレイに浮かぶその名を見て、息を飲んだ。
躊躇いは一瞬だった。今度は自分の意思で回線を繋ぐ。
「はい」
電話の相手も驚いているらしい。その空気がこちらにまで伝わった。
『も、もしもし? 檜か? 俺、内田勇介。分かる?』
その声を聞いてホッと安堵した。
「ああ、分かる。久しぶり……?」
壁の時計に目をやると、時刻は深夜二時を過ぎた所だった。
***