ボーダーライン。Neo【上】

 じゃあ、と言って立ち上がり、僕は普段使っている鞄の中から、スケジュール帳を取り出した。

「俺、今月の二十二日から二十四日までクリスマスのホールライブが有るんだけどさ」

『ああ、知ってる。つか、そのチケット取れなかったし』

『ほんとほんとー。奈々ちょー頑張ったのにぃ』

 どこか不満気に言う彼らに、そうなんだ? と顔を崩して笑う。

「で。今のところライブの翌日に一日だけオフ貰えててさ」

『え?! マジ? って事は二十五日??』

 そう、と言ってベッドの上でまた水を飲む。

『その日だと会えんのか? じゃあ二十五日にっ!』

『きゃあ!! うそうそ、マジでー?!』

 はしゃぐ二人に、待て待てと若干慌てた。

「一応予定ではそうなってるけど。急遽仕事が入るなんてザラだし。あんまり期待しないで欲しい」

 僕はやんわりと答えた。

『お。おー、分かった。でも日にちは二十五にするな? つか、オフってそんな貰えんの?』

「いや。二、三ヶ月に一回。

今回は三ヶ月ぶりだし、年末忙しくなるからエネルギー貯めとけって。マネージャーが取ってくれた」

『そうなんだ、大変だな』

 内田は言い、じゃあまた詳細はメールで送るから、と続けた。

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