ボーダーライン。Neo【上】
勿論、ナンパなどの類いを嫌うあたしは、当初彼を不信に思い、全く取り合わ無かったのだが。
お弁当屋さんの奥さんを始め、店のスタッフにも推され、いつの間にか交際をスタートしていた。
慎ちゃんは同僚の分と合わせて、三つのお弁当を持ち帰った。
「結構優しそうで大人な感じの人だね~?」
水城さんは顔を緩め、嬉しそうに言った。
「そうね。イケメンとはまた違うけど。温厚で真面目で、とても優しい人よ? ちなみに今年三十四歳」
「へぇ~」
冗談混じりに笑って言うと、水城さんはウィンドーの外へ目を向けた。
その日の夜。ガチャン、という物音で目が覚めた。
既に床に就いていたため、ゆっくりとした動作で布団から起き上がり、枕元に置いた携帯を確認した。時刻は深夜0時半を回った所だ。
「お帰り?」
寝室の襖を開け、今し方帰宅した慎ちゃんを眠気まなこで出迎える。
さっきの音は、玄関の扉が閉まるそれだった。
「ごめん。俺、起こした?」
「ううん。いつも遅くまで大変だね? それにあたしは明日お休みだし、気にしないで?」
目をこすりながら、やんわりと微笑み、台所へ向かう。
お弁当屋さんの奥さんを始め、店のスタッフにも推され、いつの間にか交際をスタートしていた。
慎ちゃんは同僚の分と合わせて、三つのお弁当を持ち帰った。
「結構優しそうで大人な感じの人だね~?」
水城さんは顔を緩め、嬉しそうに言った。
「そうね。イケメンとはまた違うけど。温厚で真面目で、とても優しい人よ? ちなみに今年三十四歳」
「へぇ~」
冗談混じりに笑って言うと、水城さんはウィンドーの外へ目を向けた。
その日の夜。ガチャン、という物音で目が覚めた。
既に床に就いていたため、ゆっくりとした動作で布団から起き上がり、枕元に置いた携帯を確認した。時刻は深夜0時半を回った所だ。
「お帰り?」
寝室の襖を開け、今し方帰宅した慎ちゃんを眠気まなこで出迎える。
さっきの音は、玄関の扉が閉まるそれだった。
「ごめん。俺、起こした?」
「ううん。いつも遅くまで大変だね? それにあたしは明日お休みだし、気にしないで?」
目をこすりながら、やんわりと微笑み、台所へ向かう。