貴石の座
「この国は貧しい。若者が命をかけて他国のために犠牲になることでやっとになりたっている。あなたのような力が、特待の夫婦だけのためにあるのではない。わかっているのでしょう? 巫女様。私たちが弟御を見つけ調査する前にさらってきてしまうなんてね。さすがですね」
 ノックの音にヴァレニウスは立ち上がり、乳母から赤子を受け取った。ヴァレニウスは多くの人間がケルトゥリと接触をすることを好まなかった。
「この子は本当にあなたとは似ても似つかない。髪は濃いブロンド、目は碧。んん、見るからに美しい弟御だ」
 ケルトゥリは黒髪で深い紺の瞳を持っていた。
 ケルトゥリは差し出された赤子を急いでヴァレニウスから取り上げた。
「そのうえ、普通の血でしたよ。あなたとどれだけ血がつながっているかわかったもんじゃない。だが確かに、他に赤子を隠してはいませんでしたよ。巫女様。その子があなたの苦しみを少しでも和らげてくれるならば喜んでお迎えしますよ」
 部屋から去っていくヴァレニウスにケルトゥリは一言も言い返せずに、ただぎゅっと赤子を抱きしめた。
 ノックの音にヴァレニウスは立ち上がり、乳母から赤子を受け取った。ヴァレニウスは多くの人間がケルトゥリと接触をすることを好まなかった。
「この子は本当にあなたとは似ても似つかない。髪は濃いブロンド、目は碧。んん、見るからに美しい弟御だ」
 ケルトゥリは黒髪で深い紺の瞳を持っていた。
 ケルトゥリは差し出された赤子を急いでヴァレニウスから取り上げた。
「そのうえ、普通の血でしたよ。あなたとどれだけ血がつながっているかわかったもんじゃない。だが確かに、他に赤子を隠してはいませんでしたよ。巫女様。その子があなたの苦しみを少しでも和らげてくれるならば喜んでお迎えしますよ」
 部屋から去っていくヴァレニウスにケルトゥリは一言も言い返せずに、ただぎゅっと赤子を抱きしめた。
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